むかしむかし、同人誌「たわごと」があったとさ。 本文へジャンプ
 店主友人I君が、I君を中心とした仲間うちで半世紀前に作った同人誌『たわごと』を見つけてきました。
発行部数50部にも満たない、ガリ版刷りの手づくり同人誌が、我ら団塊が青年から老人に至る幾星霜を経て、”よくぞ今まで残っていてくれた!”
 その中で、YM嬢の詩をば是非ご紹介したい。
実はわたくし団塊屋店主は、この詩をこの年まで正確にそらんじていた事を白状いたします(1番だけですけど)。
 YMさん、何処でいかがお暮しでしょうか。勝手に貴女の詩をご披露する勝手と失礼を時効とゆ〜ことでお許しください。

思い出  YM恵
新緑の葉陰にうもれた山あいの
 村の神社のお祭りに
  買ってもらったお人形
   アサノハ模様の振袖に
    桜の花の散りかかる
     春の祭りの宵のこと

田んぼに咲いたレンゲ草
 遊び疲れて聞いたのは
  小虫の歌う子守歌
   泣き泣き帰った田んぼ道
    菜の花畑の上にある
     おぼろ月夜の宵のこと

紫陽花のそぼ降る雨にテルテルの
 泣きべそ顔がゆれていた
  折り鶴もようの千代紙で
   人形作ってとせがんでた
    泣いた子供のぬれた目に
     さびしく映った土間口の
      にじんだ鼻緒の赤い色